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理事長ブログ

透き通るような心で 生きてゆけたらな

私は、「ワークライフバランス」という言葉に、ずっと違和感を抱いてきました。
仕事と生活をきれいに切り分けて、釣り合いを保って生きていく・・・。たしかに理想的に聞こえるかもしれません。
でも、私にとって“ワーク”と“ライフ”は、そんなに簡単に分けられるものではありません。

仕事の悩みを抱えたまま誰かの前に立つ日もあれば、
私生活の迷いを引きずったまま会議に臨むこともある。
けれど、そんな不器用な日々のなかにも、ふと心が救われる瞬間があります。
仕事中の何気ない会話に助けられたり、
仲間との会話の中に、仕事へのヒントをもらったりすることもある。
だから私は、「バランス」ではなく「ハーモニー(調和)」という言葉を選びます。
それは、互いを響かせ合いながら、一つの旋律を紡いでいく人生のあり方。その響きが、自分にはしっくりきます。
青年会議所という場は、まさにその“ハーモニー”を育ててくれる場所です。
私はこれまで、フレンドシップキャンプや児童園の子どもたちとの交流など、
自分自身の人生とは直接関わりのなかった社会福祉的な分野の事業にも多く関わってきました。
最初は「地域のために」と思って飛び込んだ活動も、いつしか「自分の学び」へと変わっていきました。
子どもたちのまっすぐなまなざしに戸惑いながら、
自分自身の言葉と態度を見つめ直す。
その経験が、私の視野と感性に“彩り”をもたらしてくれたのです。
人生に“彩り”を添えてくれるのは、大きな成果だけではありません。
揺れや濁りがありつつも、そのすべてを重ねてこそ、一人ひとりの色になっていく。
そうした瞬間こそが、本物の「青春」ではないかと思います。
先日開催した7月第一例会では、「発達障害について知る・理解する」というテーマで事業を展開しました。講師の宮内かつら先生とともに、メンバーによる発表や質疑応答を通じて、
多様な価値観と出会い、学びを深める場になりました。
違いがあるからこそ見えるものがある。
そして、その違いを知ろうとすることこそが、共に生きる社会につながる。
今回の例会は、まさにその第一歩だと感じています。

そしてある方から、こんな言葉を教えてもらいました。
「水は、動かさなければ濁ってしまう。心も同じだよ」
(水槽の酸素の話から、水が停滞すると濁るように、人の心も動かし続けなければ曇ってしまう、そういう例えです。)
私はその一言に深く頷かされました。人と関わり、迷い、悩みながらも…
心を動かし続けることこそが、少しずつでも“心を澄ませていく”ための道なのだと感じたのです。
うまくいかないこともある。
すれ違うことも、不安になることもある。
けれどそれでも、手を取り、響き合い、歩んでいくその営みには、
確かな美しさと強さがあるのだと信じています。
あと半年、その願いを胸に、出会いを大切にしながら歩んでいきたいと思います。
今回の例会にご参加くださった皆さま、
講師の宮内かつら先生、そしてグローバル共生委員会の村瀬委員長、小林副委員長をはじめ、
心を尽くしてくれた仲間たちへ。心より感謝申し上げます。

一般社団法人松本青年会議所 第66代理事長 金井佑輔

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