
一般社団法人 松本青年会議所
第67代理事長 小岩井 昌門
We Can
〜共鳴を巻き起こそう〜
〈基本理念〉
共鳴と行動で次世代に誇れる持続可能なまちを創る
〈基本方針〉
一.JAYCEEとして何事にも明るく率先して行動していこう
一.夢(未来)を語り、共鳴し合える多くの同志を集めよう
一. グローバルな視点を養い、多様性が尊重される持続可能な社会を構築しよう
一. 将来の人財にこのまちをもっと好きになってもらおう
はじめに
日本は本当に不自由が少ない国なのだろうか。綺麗で豊富な水に溢れ、世界中から観光客が訪れ、多くの子どもたちが義務教育を含めて学びが得られる環境であり、国同士の争いにも巻き込まれていない。まさに平和な国である。そして、さらに細かくみると長野県民にとって松本市は住みたいまちランキングでも上位に位置するというデータもあり、非常に環境に恵まれたまちであると実感する。これも戦後~今日までまちづくりに携わってくれた市民の力の賜物である。そんなまちづくりに大きく寄与した団体こそ松本青年会議所ではないだろうか。1949年、明るい豊かな社会の実現に向けて責任感と情熱をもった青年有志による東京青年商工会議所団体が設立され以降、全国各地で青年会議所設立運動が起こり、1960年、全国で188番目に35名の青年によって松本青年会議所が誕生した。
「青年の英知と勇気と情熱を結集し、明るい豊かな社会を築き上げるとともに、人類の幸福、世界平和達成の原動力となる」ことを目的とし活動してきた66年の間には、今も松本市の地域資源の一つである「アルプス公園」設立の起点、夏の風物詩「松本ぼんぼん」の起点、信州まつもと空港活性化のためのチャーター便事業等、まさにこのまちを代表する施設や文化の発展に多大な貢献をしてきたことは紛れもない事実である。その時代にとってまちに必要なものは何なのか、その先どんなまちが描けるのだろうかという志でその時代に合ったJC運動を諸先輩方が実行されてきたものであると同時に、その熱意を行政、企業、市民にも伝え、多くの共鳴を集めたからこそ実現できたものであると考える。
共鳴の類義語に共感という言葉がある。共感とは他者の考えを理解し共有することであり、共感を得ることで相手との関係が深まり信頼が生まれ、相手の意見を尊重し合える関係を育むことにつながる。しかし、私たちはJCIビジョンにもあるように、このまちのリーダーを目指さなければならない。共感だけでなく、自らの言動で共鳴させ行動を共に行う仲間を作っていこう。昨年の参院議員選挙でも党代表であるリーダーがSNSを通じて国民から共鳴させることに成功した政党の目まぐるしい躍進が良い例である。この共鳴を生み出すためには、まず一人ひとりが相手に伝える力を磨き、それを受け入れる心を養う、まさに心の豊かさを育むことが必要だ。現代は利己的な時代になってきていると叫ばれている世の中だからこそ、私たちが率先して市民の意識変革運動を起こし、共鳴し合える関係を創出していくべきだ。今こそ、私たちは将来の理想のまちについて夢を語り、共鳴の輪を拡げ、60周年ビジョン「世界から愛されるまちへ」達成に向けて一致団結して全力で駆け抜けよう!
【若者こそこのまちの人財だ】
どんな若者も活躍できるまちって良いよねと思う人は多いと感じるが、教育環境、就業環境、家庭環境で様々な課題が山積している。特に、教育環境では全国的にも学校に通えない若者が増加しており、その傾向は松本圏域でも例外ではない。少子化が叫ばれる中、増加している背景には、いじめや家庭環境など様々な要因がある。そのため、2024年には信州型フリースクール認証制度が全国で初めて創設されるなど、新たな支援整備を行っていることで全国からも注目を浴びている。ただ、現実問題としてこのような支援制度について活用できている事例が少ないという課題もある。だからこそ、私たちが率先して若者の選択肢を増やし、誰もが生きやすい社会の構築が必要であると考える。学校に関しては共同生活から育まれる協調性を身につけ、勉強を通じて知性を養い、運動をすることで身体の発達させることができる重要な場所でもある。しかし、学校に行けない若者たちがいるのであれば、その機会を他で補うことが必要ではないか。先進国の教育でもフリースクールの活用等の支援があり、学校だけが全てではない環境が整えられている。どんな若者でも必ず意見があることは、松本青年会議所の事業で若者達と将来のまちについて意見を集める際、世代による考え方の違いも含めて実感してきたはずだ。一部の人の意見だけに耳を傾けるのではなく、誰一人取り残さず、自らの考えが表現でき、社会性を育むことができる環境こそこのまちには必要だ。将来のまちづくりを担っていく人財はこのまちの若者である。誰もが自分の考えを表現でき、社会性を育める環境を拡充することによって、「一人ひとりの個性が輝く明るい豊かな社会」を築いていこう。
【世界の目を松本圏域に!】
このまちには、松本城を中心とした「城下町」、美ケ原高原や上高地に代表される豊かな「自然」、松本山雅のような「スポーツ」、そしてセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)に象徴される「音楽」など、多彩で魅力的な地域資源が存在する。コロナ禍によって、それまで特に増加を続けていた外国人観光客数は大きく減少したが、2024年時点の松本市観光入込客数を見ると2019年比99.3%とコロナ禍前に回復している。特に外国人観光数の宿泊者では過去最高であった。だからこそ、失われた6年間を取り戻しつつある今こそ、立ち止まるのではなく、さらに前へ進むべきだ。人口減少が進む日本において、観光は持続可能な社会を支える大きな柱である。実際、インバウンド消費額は輸出金額ベースで自動車産業に次ぐ規模にまで成長しており、このまちの経済にとっても欠かせない存在である。しかし、街を歩けば外国語表記の少なさや観光の偏りが目立ち、外国人が知るのは有名な資源に限られているのが現状だ。私たちはまだこの地の魅力を十分に伝えきれていないのではないだろうか。そもそも自分たちのまちの魅力に気づき、その魅力について語れるのだろうか。その点についてメンバー一人ひとりはもちろん、松本圏域の人々にも今一度このまちの魅力について共有する機会が必要であると考える。
今年度、松本市は文化庁から「東アジア文化都市」に選定されており、中国や韓国との交流を通じて国際的に魅力を発信できる絶好の機会でもある。特に昨年、松本青年会議所と交流をした韓国の安東青年会議所との友情は文化交流のきっかけになると考える。私たちの掲げる60周年ビジョン「世界から愛されるまちへ」を目指すために、率先してこのような機会を活かし、松本圏域の魅力を広く世界に届け、観光産業のさらなる振興につなげていくべきである。そのためには、メンバー一人ひとりが世界に誇れる地域資源を再確認し、発信していく必要がある。地域住民、行政、関係団体を巻き込みながら、「松本圏域に行きたい」と心から思ってもらえる仕組みを構築するべきだ。
【出向の価値】
青年会議所には出向制度がある。これは長野ブロック協議会のみならず、北陸信越地区協議会、日本青年会議所と活動圏域の違うエリアでのまちづくりに携わることができる誰しもが挑戦できる権利でもある。ただ、出向に関して未経験または消極的なメンバーがいることも事実である。だからこそ、出向未経験または消極的なメンバーに対して何故出向制度があるのか、メリットは何なのかを伝え、出向への機運を高める必要がある。私も、長野ブロック協議会、日本青年会議所の委員会に出向させていただいたが、それぞれで委員会運営や事業規模が松本青年会議所とは違うという事に気づかされる。この「違い」に触れる経験という事がすごく重要なことで、自己の学びになると同時に松本青年会議所の組織運営を向上させるきっかけになり得ると考える。実際に新議案書システムは、長野ブロック協議会で使用していたものが便利であるという事から、私たちの組織にも取り入れることで運営の改善が図られている。また出向することで青年会議所がもつネットワークを最大限に活かすことができ、人間関係が拡充され、私たちのまちづくりにも大きな一助につながるはずだ。出向は捉え方次第で魅力的な要素に溢れているため、まずは知らないメンバーに出向の魅力を伝える機会の創出が必要である。
特に、今年度は日本青年会議所に委員長を輩出していることで、出向とは何なのかということにメンバーが触れることができる大きな機会であるといえる。この経験に関しては松本青年会議所では経験できないくらい大きなものであると推測されるため、しっかり松本青年会議所に還元できる環境を整えてほしい。さらに、今年度の出向メンバーの情熱を灯し続けてもらうためにも組織として全力でサポートをしていこう。今年度、多くのメンバーが来年以降も出向に行きたいと思ってもらうことができれば、今後の松本青年会議所という組織にとって必ずや大きな財産になるはずだ。
【各地青年会議所との友情】
松本青年会議所は諸先輩方が実施されてきた事業を通じて全国各地の青年会議所と友情を育んできた。だからこそ、今年度も友情を深め、共に明るい豊かな社会の実現に向けて歩んでいく機会が必要だ。まずは、松本青年会議所と弘前青年会議所の関係が挙げられる。両青年会議所の関係は全国城下町シンポジウムを機に結ばれた。その後、諸先輩方が紡いできた青年会議所同士の友情は、お互いのまちのりんごを使ったカクテルづくりなど共同事業も行うことで更に強く結ばれている。今年度は弘前青年会議所が創立75周年を迎える節目であり、「けやぐ協定」の更新が必要である。近年、青年会議所だけの絆ではなく、市民に対して事業を実施したいという話も出るが、実施できていない部分もある。りんご、地酒、蕎麦、お城、自然等多くの共通点を活かし、多くの市民とも共有する機会を創出することがまちづくり、ひとづくりに寄与され、今後の明るく豊かな社会につながるはずだ。
また、宮古青年会議所との友情についても重要なものである。2019年、国内線新規就航先を目指して、松本青年会議所と宮古青年会議所が手を取り合ったことをきっかけに2022年までチャーター便事業等を実施した。直近3年間は特に交流事業を行っていないが宮古島は海があり、松本圏域には山があるということで文化や景観に大きな違いがある。さらにより良いまちづくりを考える時にこの違いという部分に触れる機会はとても重要だ。それが、自分の住むまちの良い点悪い点について気づくきっかけになるからだ。であるならば、両青年会議所同士の友情について再び強く輝けるものにするべきだ。今年度は宮古青年会議所65周年という記念すべき年でもあるならば、交流の機会を創出し青年会議所のネットワークを最大限活用できる環境を整えていこう。
【会員拡大=共鳴の数】
青年会議所は20歳~40歳が所属できる青年経済人の集まりであるが、近年、会員数は減少傾向にある。このままでは地域における存在感を発揮することが難しくなってくる。しかし、この現状を悲観するのではなく、新しい仲間との出会いを生み出す大きなチャンスと捉えるべきだ。この地域には、まだ青年会議所を知らずとも、志を持ち、未来を変えたいと願う多くの青年経済人が存在している。まずは、シニア会やまちづくりに携わっている関係者団体にもアプローチを行い、その人たちに私たちの想いを届け、共に活動する意義を感じてもらうことで、必ずや共鳴の輪は広がるはずだ。「共鳴が仲間を呼び、仲間が運動を広げ、運動が地域を変える」そういった循環をつくることが、拡大運動の本質である。そのためには、相手に青年会議所の魅力を伝えることが重要であり、拡大担当のみならず、メンバー一人ひとりが青年会議所の魅力について伝えられる力が必要である。さらに、私たちの活動についても多くの市民に届け、共鳴をしてもらうことが大切である。特にSNSを用いた広報については、毎年様々な施策を行っているが、メンバーのみならず多くの松本圏域の人々に注目してもらうために新たな取り組みが必要だ。まだ、実施できていないSNS活用方法があることは明確であり、今年度もチャレンジしていこう。そして「一人でも多くの同志と共に未来を語り合いたい」その想いを胸に、拡大活動に挑戦し、来年は必ず会員純増を達成しよう。
青年会議所の拡大は、単なる会員数の増加ではなく、私たちの理念や活動に共鳴してくれる仲間との出会いの積み重ねに他ならない。「会員拡大=共鳴の数」であり、共鳴の総量こそが、私たちの組織の力と地域への影響力となり、持続可能な組織へとつながるはずだ。
【組織力の向上】
青年会議所運動の最大化を図る上で欠かせないものは組織の組織力である。組織力とは何なのか。それは、組織の大きさや事業数ではなく、目的達成に向けてどれだけのメンバーが自発的に動けるのかではないだろうか。だからこそ、メンバー間のコミュニケーションを重ね、共鳴してもらうことが重要だと考える。本来、コミュニケーションは各委員会内での活動で様々なメンバーと事業構築、例会運営を行っていく中で培われていくものである。また、意見交換会の中で人となりを知ってもらい、仲を深めることから友情が育まれていく。しかし、委員会開催が定期的に開催されていればいいが、中々、全委員会が思ったように活動できない場合もあるだろう。また、意見交換会に関しても顔を合わせるのは同じメンバーが多い。果たしてそれで本当にこの組織の組織力が強化されているのか。今一度、立ち止まってメンバー間のコミュニケーションについて考え直すべきだ。私たちは、このまちを明るく豊かな社会にしたいと思っている青年経済人の集まりであるならば、今年度は自社でも活かせることができるビジネスセミナーの開催等、普段顔を出してくれない人に対して、参加したいと思ってもらえる組織を構築してほしい。この1年間事業や例会で顔を見なかった人がいない、誰一人取り残さない組織を構築することができれば、私たちの運動が更に実りあるものに昇華できると確信している。
【国際友情の価値】
青年会議所活動を行っていると委員会メンバー、同期メンバー、長野ブロック協議会または日本青年会議所メンバーそして世界各地のJCメンバーと友情を深められる。特に「世界との友情」を築くことができるネットワークを持つ団体は少ない。だからこそ、松本青年会議所は台南女國際青年商會(台南LJC)との交流にて、互いの文化や環境の違いから私たちのまちの長所、短所に気づくことができる機会を大切にする必要がある。例えば、台南LJCからの松本ぼんぼんの人気の高さは、この地域にいるだけでは気づくことのできない事象であるからだ。また、この交流の中で一番大切なことはお互いが手を取り合い、相手を尊重することである。国際交流では言葉が十分に通じなくても、相手が何を求めているのかを考え、全力で応えようと努めてきたからこそ、世代を超えて交流を続けることができていると考える。この心持ちを忘れずに今年度も世界との友情を育んでほしい。
さて、松本青年会議所にとって諸先輩方が紡いできた台南女國際青年商會(台南LJC)との交流は記念すべき35周年目を迎える。姉妹締結書の中に「5年に1回、交流周年記念事業の実施活動を行う」という記載があり、今年度は台南市で交流周年記念事業が実施される。記念すべき35周年に相応しく私たちだけの交流にとどまらず、もっと多くの市民とも世界との友情を築くための交流の機会を創出し互いを尊重しあえる環境づくりにつなげていくべきだ。
【未来を切り拓く力】
青年会議所ではJC三信条「修練・奉仕・友情」という青年会議所活動を端的に表したものがある。バイブルオブJCでは、「若い人々が集まってトレーニング(自己啓発・修練)を行う場であり、培われた力を用いて地域社会にサービス(奉仕)する。そして、そのトレーニング・サービスを支える力として、会員全員、同志を貫くフレンドシップ(友情)があるというもの」と解説されている。これは、委員会運営や事業を進めていく中で必ずこの3点は欠かすことのできないものであり、まちづくり、人づくり、仲間づくりの神髄でもある。だからこそ、この点を意識してもらえるように新入会員にはしっかりとJC三信条を体感できるような機会を創出してほしい。そして、新入会員同士のコミュニケーションも積極的にとってもらいたい。特に、同期の仲間はこれからの青年会議所活動や仕事においても大きな助けになるはずだ。私が入会した2021年を振り返ってみると、大変だと感じた部分もあるが、コミュニケーションの機会も多く楽しかったと振り返ることができる。そして、今の青年会議所活動でも私にとって同期メンバーは大きな支えとなっている。青年会議所は年齢も立場も入会目的も違うメンバーが集まり、このまちを良くするためには何ができるのかという社会課題に向き合い、仲間と共に汗を流すことで、自分自身も成長していくことにつながっていく。そんな素晴らしい取り組みができる青年会議所活動は自分一人ではなく、周りのサポートがあるからこそ実施できている点を感じてほしい。
新入会員が様々なことを学べるように多くの諸先輩方が実施してきた事業については必ず意味がある。特に子どもまつり事業やビールパーティーが挙げられるが、何故、何のためにやるのかという点について、再認識する機会を設け、次世代に継続できる機会を創出すべきだ。この継続こそが将来のJAYCEEを育み、持続可能な組織の基盤になるはずだ。
【結びに】星火燎原~愛するまちのために~
私たち青年会議所の運動は一人では成しえない。共鳴の数を増やしていき、一人でも多くの同志と出会い、その想いを分かち合うことで、青年会議所の運動をさらに力強く展開することができる。共鳴が新たな仲間を呼び、仲間が運動を広げ、運動が地域を変える。青年会議所は意識変革団体とも呼ばれるように、既存の社会に満足するのではなく、常に希望をもたらす変革の起点として運動をしつづけよう。私たちが目指すのは、単なる組織の拡大や事業の実施ではない。未来を託す子どもたちが誇りを持って暮らせるまちを残すために、私たちが率先してリーダーとなり行動し、地域に希望の光を灯し続けることである。そのためには、共鳴を原動力として、多くの同志と肩を並べ、ともに汗を流し、夢を語り合いながら挑戦を重ねていかなければならない。数多くの課題がある現代社会においても、青年の情熱と行動力があれば必ず道は開けると信じて仲間と共に全力で取り組もう。
We Can・・・私たちならどんな夢も実現できる
委員会・特別会議体構成構成
- まちの人財育成委員会
主体的に若者が活躍できる環境整備
若者との交流、居場所づくり
宮古青年会議所との交流事業
- 郷土愛発信委員会
インバウンド活性化事業
世界へ文化体験・発信の創出
安東青年会議所との交流事業
- 広報拡大渉外委員会
広報支援事業
会員拡大運動
弘前青年会議所との交流事業
出向者・全国大会に向けたサポート
- 総務委員会
健全な財務運営・各種総会の設え・メンバー同士の友情向上運動
事務局運営
ビジネスセミナーの実施
基金の検討
- 台南交流支援会議体
台南女國際青年商會との交流・発展
- 未来のJAYCEE育成会議体
青年会議所運動の基礎を習得
新入会員同士の友情を育む
各委員会との連携、賛助会員、シニア会との交流