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2025年度 理事長所信

一般社団法人 松本青年会議所
第66代理事長 金井 佑輔

青春
〜一度しかない人生に彩りを〜

〈基本方針〉

一.社会的責任を自覚し、感謝の気持ちを忘れず、勇気を持って行動しよう
 私たちは、青年会議所のメンバーとして、社会的責任を自覚し、勇気を持ってさまざまな課題に取り組みます。他者のために行動することで、私たち自身も成長し、人生に彩りを添えていきます。

一.自己成長を追求し、夢を語る青年を目指そう
 他者のために行動すること。自分自身の成長を常に追求すること。そして夢を持ち、未来に対する希望を語り合う仲間と共に、その実現に向けて努力し続けることで、自らの人生と心に彩りを添えていきます。

一. 多様性を尊重し、グローバルな視点でこのまちについて考えよう
 国籍や文化の違いを超え、さまざまな人々との繋がりを大切にし、互いの理解を深め、尊重します。グローバルな視点でこのまちを考えることで、新たなアイデアや視点が生まれ、このまちの発展に彩りをもたらします。

はじめに

私にとって青春とは、何か。

中国の一説には、人生を四季に擬える考え方があります。玄冬は 0 歳から 20 歳、青春は20歳から 40 歳、朱夏は 40 歳から 60 歳、白秋は60 歳から 80 歳とされます。この考え方に基づくと、青年会議所に在籍できる期間はまさに青春の季節に重なります。私は、青年会議所の運動こそ人生最大の青春であると感じています。

 そして青春は、人生の中で最も鮮やかで情熱的な時期です。青春期のエネルギーは、夢や
明るい未来を追求し、挑戦に立ち向かうための勇気を生み出します。そして困難に挑むための行動力を与えてくれます。それが、このまちに変化をもたらす原動力に繋がります。

 人生をどう彩るか、それは行動によって決まります。自分の価値観や夢を大切にし、周りの人々と共に成長していくことで、人生はより豊かになります。どんな小さなことにも意味を持たせることで、私たちの人生に深みが生まれます。他者を思いやり、地域貢献や自己成長に取り組む姿勢は、多くの人に良い影響を与えるでしょう。

 このような成長の機会が、青年会議所にはあります。私たちの人生と心に彩りを添える大切な舞台であり、青春の情熱を燃やす場所でもあります。

 私は松本青年会議所に入会して 11 年目を迎えます。これまでの 10 年間の経験は、私にとってかけがえのない財産です。活動を通じて得た経験や仲間は、今後の人生において大きな支えとなるでしょう。仲間と共に過ごした時間や学び合ったことは、私の人生を鮮やかに彩っています。

 本年度は、メンバー、一人ひとりが青年会議所活動という青春を通じ、自らの人生に鮮やかな彩りを加えていける事を信じ、力強く運動を展開してまいります。共に新しい挑戦をし、地域に貢献しながら、未来に向けてさらなる成長を目指しましょう。そして私たちの手で、色鮮やかな社会を創り出していきます。

【子どもたちの未来を築くために】

 松本青年会議所が行う運動は、このまちの未来に深く関わっています。私たちの描く未来とは、今この瞬間を生きる子どもたちや、これから生まれ育つ子どもたちが、希望に満ちた明るく豊かな社会で自分らしく輝けることです。その実現のためには、以下の 4 つの要素が欠かせません。

・経験できる機会の拡充・多様な選択肢の提供・夢を抱く環境の整備・地域全体での支援

~4つの要素~

経験できる機会の拡充:子どもたちがスポーツや文化活動、ボランティアなど、さまざまな経験を通じて学び、自分自身を発見できる機会を提供することが重要です。

多様な選択肢の提供:子どもたちが自分の興味や才能を見つけやすくするために、多様な選択肢を用意することが求められます。これにより、子どもたちは自分の可能性を広げることができるでしょう。

夢を抱く環境の整備:子どもたちが夢を持ち、それを追いかけることができるような環境を整えることが大切です。成功体験やロールモデルとの出会いを通じて、彼らの可能性を引き出していきます。

地域全体での支援:子どもたちを支えるためには、地域全体での協力が不可欠です。さまざまな組織が連携し、子どもたちを育てる体制を築いていくことが求められます。

【広域連携の力を高める】

 松本青年会議所のメンバーは、さまざまな団体や地域と交流を深めることができます。しかし、その交流を持続させ、広がりを築くことが難しい面もあり、これが組織の課題となっています。要因の一つは、単年度制が影響しており、新たに築いた交流が次年度以降に持続的に繋がりにくい状況があります。

 本年度は、これまでの交流を基に、関係性の強化をさらに進めることを目指します。特に、広域や特定エリアでの連携を強化し、このまちの経済発展に寄与することを目指します。

 この交流によって、例えば、地元の特産品やサービスを特定エリアに紹介し合うことで、
新たなビジネス機会が生まれるかも知れません。例えば、特定エリアの文化イベントや伝統
を共有することで、相互理解が深まり、このまちの魅力が向上するかも知れません。例えば、特定エリアの祭りや事業に参加することで、観光客を呼び込み、このまちの経済を活性化させることが出来るかも知れません。さらに、これらの交流を通じて松本青年会議所にも変革が起こることを期待しています。新たな視点やアイデアが組織内に流入することで、活動の幅が広がり、運動が強化されるでしょう。

 広域や特定エリアとの連携強化が持続可能な社会の構築に寄与できると信じています。
共に力を合わせ、明るい未来を描いていきましょう。

【空の未来を拓く松本】

 信州まつもと空港は、地域経済や観光の発展に欠かせない重要な拠点として機能しています。現在の路線では、福岡や札幌(新千歳)まで約 90 分、神戸まで約 65 分でアクセス可能です。この利便性により、多くの人々が短時間で松本を訪れ、地域の魅力を広めるチャンスが増えています。

 そして、今後開業予定のリニア中央新幹線の存在も検討しなければなりません。時速500km という驚異的なスピードで運行し、東京から山梨までをわずか約 20 分、東京から大
阪までも約 1 時間で結ぶことが予定されています。この画期的な交通手段の開通によって、このまちへのアクセスは飛躍的に向上し、経済活動や観光が一層活発になることでしょう。

 その一方で、高速移動が普及することで、既存の交通インフラや地元の経済活動に対して、意図せぬ影響を及ぼす可能性もあります。そうしたことから、さらに信州まつもと空港の存在は重要な立ち位置になってくると考えます。

 本年度は、2 時間程度でアクセスできる新しい路線の開設を目指し、信州まつもと空港の
利便性を向上させていくことを求めていきます。交通インフラの強化は、地域経済や観光産
業の発展に寄与し、このまちの魅力を高める重要な要素です。空港の機能を最大限に活用し、このまちの発展に向けた取り組みを進めます。

 同時に、国内便だけではなく国際便の開設も不可欠です。国際便が運航されることで、松
本は国内外からの観光客やビジネスの交流拠点となり、地域産品の輸出や地元企業の国際展開を促進します。特にアジア圏との直行便が開設されることで、観光やビジネスが一層活性化することが期待されます。外国からの観光客がこのまちを訪れることで、地域の文化や魅力が国際的に広がり、このまちの存在感を高める重要な要素となるのです。国際的なアクセスの拡充は、地域経済の活性化に直結し、このまちの未来をさらに明るくするでしょう。

【国籍も違いも越えて繋げたい】

 姉妹 JC である台南女國際青年商會(台南 LJC)との交流で初めて台南を訪れた際、彼女
たちは笑顔で迎えてくれました。彼女らの親しみやすさや、初対面の私への細やかな心配りには心を打たれました。2024 年の台湾東部沖地震では、募金活動を通じて彼女らを支援することが出来ました。私たちは優しさが両者の心を繋げる力だと強く実感しています。
どんな時でも手を取り合い、互いに支え合う姿勢が重要です。

 この素晴らしい機会を与えてくれたのは、1991 年以来続いている台南女國際青年商會
(台南 LJC)との交流です。この活動は、JC の三信条の一つ「世界との友情」を体現しています。本年度で 34 年目を迎えます。姉妹締結 40 周年、さらに 50 周年に向けて活動を進めていきます。

※JC の三信条

・TRAINING(トレーニング)=個人の修練 ・SERVICE(サービス)=社会への奉仕
・FRIENDSHIP(フレンドシップ)=世界との友情

 1950 年 5 月 1 日に、現在の日本青年会議所の前身である JC 懇談会の中で、JC 運動の行
動綱領として三信条が採択されました。この三信条の意味は、JC 運動とは、若い人々が集まって自己啓発、修練を行う場であり、培われた力を用いて地域社会にサービス(奉仕)することである。そして、そのトレーニング・サービスを支える力として、会員全員、同士を貫くフレンドシップ(友情)がある。ということです。

 松本青年会議所の活動の中で、障がいを持った子どもたちとの交流が、私にとって大きな
気づきとなりました。入会直後に参加したフレンドシップキャンプでは、障がいを持った子
どもたちと一緒に玉入れや綱引きといったレクリエーションを楽しみました。特に印象に残っているのは、みんなで協力してテントを設営したときのことです。障がいがある子どもと、障がいがない子どもでチームになり、テントを設営するという目標に向かって、会話をし真剣に取り組む姿勢は、私の心に深く刻まれました。

 私たちのまちには、外国人や障がいを持つ人々が共に暮らしています。彼らと共に共生で
きる社会を築くためには、国籍や背景を越えた交流を深めることが必要です。互いに理解し、尊重し合うことで、より豊かな社会を創り出し、すべての人が自分の色を輝かせる未来を目指します。

※フレンドシップキャンプとは
 障がいがある子どもと、障がいがない子どもで一緒に参加するキャンプ。美ヶ原少年自然の家で 8 月の初旬に開催されていた。1981 年の「国際障がい者年」をきっかけに 1982年から開催され、多くの松本青年会議所の先輩方が携わっていた活動である。

【支え合いが創る、安心のまち】

 困っている人を助ける人をヒーローだと感じ、憧れた経験は、多くの人が持っていると思います。私たちの社会は今、少子化と高齢化が進み、労働力が不足しています。企業はこの問題に対処するためにさまざまな努力をしていますが、私たちのまちを守る警察官、消防士、救命救急士などのエッセンシャルワーカーの状況も同様です。

 2011 年3 月11 日に発生した東日本大震災は、日本中に大きな悲しみをもたらしました。私も大切な友達を失い、ただ瓦礫を拾い続ける日々がありました。その時、自衛隊が復興支援を行っている姿を見て、もし私たちのまちで災害が起こったら、誰が私たちを助けてくれるのかと考えさせられました。

 近年では、豪雨災害も深刻な問題となっています。集中豪雨による河川の氾濫や土砂崩れは、地域のインフラや住民の安全を脅かす大きな脅威です。これらの災害時に、命を守り、生活を支えるエッセンシャルワーカーの存在は欠かせません。

 私たちのまちに必要な労働力を供給出来なくなれば、地域の安全や生活基盤が揺らぎ、豊かで活気ある日常が失われてしまいます。だからこそ、全国でNo.1の住みやすいまちを目指すには、安心と安全を確保することが非常に重要です。私たちは、地域の支え合いを促進し、エッセンシャルワーカーの重要性を再認識することで、より安心して暮らせる社会を築いていきたいと願っています。そして地震や豪雨災害などのさまざまなリスクに備え、地域全体での協力と連携こそが、未来の安心を創り出す鍵です。私たちの手で、支え合いが創る、安心して暮らせるまちを実現していきましょう。

【私たちの組織の未来を描く】

財政の基本

 松本青年会議所の財政は主に会費によって支えられています。限りある会費をどのように活用するかを十分に検討し、運動や活動に充てます。また、財政基盤を強化するために、会費以外の収入源を探ることも重要です。

広報活動の強化に向けて

 私たちの運動は「市民意識変革運動」を広げることを目指していますが、その実現には効果的な広報活動が不可欠です。本年度は、対外的な広報活動をより積極的かつ戦略的に行い、このまちの人々に私たちの活動やその目的をしっかりと伝えていくことに注力します。広報活動を強化することで、このまちの人々と新しい価値を共創し、意識の変革を促していきたいと考えています。

組織の重要性と課題

 松本青年会議所は近年、メンバーの減少や在籍年数の低下といった深刻な課題に直面しています。メンバーが減ると、地域課題に取り組むための人手やリソースが不足し、これまで青年会議所が担ってきたまちづくりの運動が停滞、消滅する恐れがあります。そして次世代のリーダーを育成し、新しいアイデアをまちに取り入れる重要な役割を果たしています。しかし、メンバーが減ることで将来の地域リーダーの育成が困難になり、まちの未来を支える人材が不足することになります。その結果、明るい豊かな社会の実現が遠のくことになり、まち自体も無くなる可能性もあります。このような状況を避けるためにも、松本青年会議所のメンバー数を維持・増加させることが、まちの未来にとって非常に重要です。

【わくわくする未来をつくりたい】

 松本青年会議所のメンバーはこのまちの未来を語る責任があります。5年後、10年後、私たちのまちはどのように変わっているでしょうか。あなたが描くこれからのまちは、どのような姿でしょうか?

 未来には、さまざまな可能性が広がっています。新しい技術の導入や地域資源を生かしたビジネスの発展、環境に配慮したライフスタイルの普及など、夢に満ちた社会が待っています。

 特に重要なのは、若者が活躍できる社会の実現です。若い世代が自らのアイデアや情熱を持ってこのまちの課題に取り組み、革新をもたらすことで、このまちの未来に輝きを放つことでしょう。若者がリーダーシップを発揮し、このまちの発展に寄与できる環境を整えることが、私たちの使命です。

 さらに、他の市町村との連携も不可欠です。地域を越えた協力を通じて、相互に学び合い、資源を共有することで、このまちだけでなく、広域での発展を目指すことができます。

 私たちは未来の一筆を描き始めています。その一線一線が、やがて大きな絵となり、壮大な未来を築いていくのです。夢や希望を持ち寄り、一緒に新しい世界を描きましょう。

【友情を育み、青春を磨く】

 毎年、志高いメンバーが松本青年会議所に入会します。「このまちをより良くするために貢献したい」「新たな友人やネットワークを広げたい」という希望を胸に抱いています。そんな新入会員を「真っ白」と捉え、私たちメンバーは彼らが自らの色をしっかりと探し、見つけるための環境を提供しなければいけません。そして最も重要なのは、新入会員自身が主体となり、他者のために積極的に行動すること。そして自らの成長を求めて行動することです。そして夢を持ち、未来に対する希望を語り合う仲間と共に、その実現に向けて努力し続けることで、自らの人生と心に彩りを添えることが出来るのです。

 しかし、近年では、自分色を見つけられないメンバーや、中途半端なかすれた色のメンバーが増えてきています。パッとしないまま卒業するメンバーが増えるのは悲しい現実です。 この状況には強い危機感を持っています。

 私たちの組織の存続と発展は、各メンバーが自己成長を遂げることです。彼らを支え、共に成長することで、仲間を増やし、未来に向けて輝きを放つことが私たちの責務です。

【結びに】星火燎原~愛するまちのために~

 松本青年会議所は、1960年に35名の青年によって全国188 番目の青年会議所として設立されました。定款第3条には、「本会議所は、青年の英知、勇気、情熱を結集し、明るく豊かな社会の実現、そして日本経済の発展と福祉国家の構築を目指す。また、公益社団法人日本青年会議所および国際青年会議所を通じて、世界の青年と連携し、国際理解と親善を深め、人類の幸福と世界平和の原動力となることを目的とする」と明記されています。この使命は、時代が移り変わる中でも不変であり、私たちが星火燎原の精神で活動する源です。

 小さな火花が広がり、大きな火となって多くの人々を巻き込むように、私たちの一つひとつの運動も、このまちに影響を与え、誰かの心に灯をともすことを目指します。先輩たちが築き上げてきた歴史は、私たちの活動の基盤であり、先輩たちの努力と情熱があったからこそ、松本青年会議所は発展し続けています。

 私たちはその想いを受け止め、愛するこのまちのために青春の時期をより鮮やかに彩り、一度しかない人生に意義を持たせていきたいと考えています。私たちの小さな一歩が、やがて大きな成果へとつながり、このまちの人々のために役立つことを強く信じています。私たちの活動が、まさに星火燎原のように広がり、明るく豊かな社会の実現へと繋がることを願います。

委員会・ 特別会議体構成

①まちの活力創造委員会
・4つの要素の実現
・「新しいまちの文化」の実践

②広域連携推進委員会
・他団体との交流を活性化するための関係構築と実践
・一般社団法人弘前青年会議所との交流の継続
・出向者のサポート、賛助会員、シニア会との交流

③まつもと空港2.0 委員会
・国内・国際便の新規路線の実現に向けた運動

④グローバル共生委員会
・台南女國際青年商會との交流の継続・発展
・障がい者との交流

⑤まちのヒーロー育成委員会
・市民への防災意識向上に向けた運動
・エッセンシャルワーカーへの成り手意識向上

⑥総務・広報・組織力向上委員会
・戦略的財務運営・各種総会の設え・例会出席率向上の支援
・組織の価値向上を推進する戦略的広報と会員拡大

⑦まちのビジョン創造委員会
・未来を見据えたこのまちと周辺地域のグランドデザインの調査・研究と発信
・広域連携の政策提言
・このまちの未来を語る場の創出

⑧人間力開発特別会議
・青年会議所運動の基礎を習得
・新入会員同士の友情を育む・各委員会との連携

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