友情は、りんごのように育つ~弘前のまちで見つけた彩り~
りんごは、春に花を咲かせ、夏の陽を浴びて、秋にようやく実を結ぶ果実です。
一足飛びには育ちません。けれど、時間をかけて、土を感じ、風を受けて、少しずつ少しずつ、甘く、色づいていきます。
今回、松本青年会議所として訪れた弘前での時間は、まさにそんな「友情の実り」を感じる旅でした。
松本青年会議所と弘前青年会議所は、「けやぐ協定」を結んでいます。
「けやぐ」とは、津軽弁で“親しい友人・仲間”という意味。
距離を超えて、志でつながるまちとまち。
その関係性を深めるべく、今年も弘前の地を訪れました。
本年度は、広域連携推進委員会の近藤委員長、古田副委員長を中心に、弘前青年会議所の皆様と打ち合わせを重ねていただき、短い日程でも深い学びが得られる素敵な企画を準備していただきました。
初日は、弘前大学の学生たちとワークショップを実施。
「松本と弘前、それぞれのまちの未来」について語り合いました。
遠く離れた地に暮らす学生たちの言葉には、驚きと共感がたくさん。
「これ、松本でも活かせるかもしれない」
「雪国ならではの課題と工夫があるんだな」
そんな気づきがいくつも生まれました。
私にとっても、とても刺激的で新鮮な時間でした。
午後は弘前名物のひとつ、「りんご公園」を訪れました。
そこには、りんごのオブジェや博物館、そして弘前ならではの風景が広がっていました。
普段、何気なく口にするりんごも、育つ環境や品種、収穫方法など、知れば知るほど奥が深い。りんごは、まさにこのまちの“誇り”であり、“文化”なのだと強く感じました。
夜は、弘前青年会議所の皆様との懇親会。
会場はとてもおしゃれな空間で、「こんな場所が松本にもあったら…」と思ってしまうほど素敵な場所でした。
地元の食を味わいながら、たくさんの笑顔と語らいが生まれました。
店を変え、締めのお店は、有名な「カレーそば」。
「ちょうどカレーが食べたかった!」という偶然も相まって、心も体も温まりました。
2日目は、弘前の夏の風物詩「ねぷた」の文化を学びに、博物館を訪れました。
ちなみに、「ねぶた」は青森市の表現で、「ねぷた」は弘前市などで使われる呼び名です。
それぞれのまちで、形も意味も異なる伝統。まさに地域に根付いた「色」があります。
また、津軽三味線の演奏もじっくり聞きました。
私にとって未知の世界でしたが、その音の力強さと響きの深さに、思わず引き込まれました。
まるで心に、りんごのような“赤い色”がふっと灯った気がしました。
今回の訪問を通して改めて感じたのは、友情はりんごのように育つということ。
すぐには実らないけれど、信頼を重ね、心を通わせ、時間をかけてようやく実るものです。
私たちがいま手を取り合うことで、この「けやぐ」の関係が、もっと豊かに色づいていくと信じています。そしてそれは、まさに「青春~一度しかない人生に彩りを~」という今年のテーマに重なります。
最後に、今回の弘前訪問を共にしてくれた仲間たち。
近藤委員長、古田副委員長、長田くん、小川くん、村瀬委員長、加藤くん、澤田くん、上條専務、伊原副理事長、小岩井副理事長に、心からの感謝を。
そして、私たちを温かく迎えてくださった弘前青年会議所 葛西 紘一理事長はじめ、すべてのメンバーの皆様に、最大限の敬意と感謝を申し上げます。
友情は、りんごのように育つ。
だからこそ、今年という限られた時間に本気で向き合い、次代へと実りを託したいと思います。