あなたの中学生時代は何色でしたか?
放課後のグラウンド、空がオレンジ色に染まる頃、最後のダッシュを終えた私は息を切らせながら友達と笑い合っていました。汗で張り付くシャツ、泥だらけの靴。サッカーの練習は決して楽ではなかったけれど、仲間と過ごす時間が何よりも輝いていました。試合に負けて涙がこぼれた日、厳しい先生に叱られて悔しかった日、努力が実った瞬間。あの頃の私はただ夢中で走り続けていました。
さて、あなたの中学生時代は、どんな景色が広がっていましたか?
運動部で汗を流し試合に向けて必死に練習していた人。吹奏楽や演劇の発表会に向けて遅くまで練習を重ねた人。舞台袖で感じた緊張や静かに何かを極める時間もまた、中学時代の大切な思い出のひとつです。
放課後の教室には、さまざまな光景がありました。友達とふざけ合いながらノートを広げた人。試験前、誰かに「ちょっと教えて!」と駆け寄った人。読書に夢中になりチャイムが鳴っても気づかなかった人。帰り道はわざと遠回りし、公園のベンチで長時間話し込んだこともあったでしょう。
けれど、中学時代がいつも楽しいばかりではありません。友達とのすれ違いに傷ついたり、部活や勉強のプレッシャーに押しつぶされそうになったり。将来への不安に、どうすればいいのか分からなくなることもあったかもしれません。
それでも、あの頃の私たちは確かに前を向いていました。夢中になれるものを見つけ、大切な人と過ごし、悩みながらも成長していました。振り返れば、それぞれの時間が色となり、今の私たちをつくっています。
中学生の青春を支えるために
私たち大人は、あの頃の経験があったからこそ、今の自分を形作ることができたのではないでしょうか。
部活動で汗を流し、悔しさや喜びを味わった人。放課後の教室で仲間と語り合い、夢を描いた人。帰り道の何気ない会話の中で、自分の考えを深めた人。そうした経験は誰にとってもかけがえのないものだったはずです。
しかし、もし今の子どもたちが、そうした時間を過ごせなくなってしまったら?
私たちが当たり前に過ごしてきたあの時間が、今、少しずつ失われようとしています。
だからこそ、私たちは行動しなければならないのです。
2025年3月4日(火)、まちの活力創造委員会による3月第一例会 「部活動の地域移行で まちに活力を」を開催しました。
当日は雪が降るあいにくの天候でしたが、約40名の市民の皆さまにご参加いただきました。お越しいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
私たちはなぜ、この活動をしているのか?
それは「今を生きる子どもたち、そして未来を担う子どもたちが、希望に満ちた社会で自分らしく輝けること」 を願うからです。
では、そのために何ができるのか?
私は本年度の活動として、次の4つが重要だと考えます。
- 経験できる機会の拡充
- 多様な選択肢の提供
- 夢を抱ける環境の整備
- 地域全体での支援
今回の例会では「中学生の部活動の地域移行」 にフォーカスし、委員会が調査・分析を行い、研究発表をしてくれました。
部活動の地域移行は、ただの制度改革ではありません。それは子どもたちがより良い環境で成長するための大きな転換点です。学校の枠を超え、地域全体で子どもたちの活動を支える仕組みをつくることで、多様な選択肢を提供し、より充実した青春を送れるようにすることが求められています。
設営を担当した切手委員長、小林副委員長、伊勢君、竹内君、そして今年入会した山元君、鷹取君をはじめ、委員会メンバーが一丸となって準備を進めました。皆さんの努力によって、今回の例会は 今後の運動に彩りを与える大きなきっかけとなる場 になったのではないでしょうか。
今後の展開が楽しみです。
未来へつなぐ青春の色
松本青年会議所は、まちづくりや人づくりの観点から、中学生が多様な経験を得られる環境づくりに取り組んでいます。
地域とともに、未来を担う子どもたちの可能性を広げていくこと。
それこそが、私たちが果たすべき役割ではないでしょうか。
子どもたちが夢を描き、それを実現する力を育めるように。
部活動や学校生活、地域とのつながりを通じて、さまざまな経験ができる場を守り、育てていくために。
私たちは、そのための運動を続けていきます。