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理事長ブログ

ZERO FIGHTER ― 目的を生み出す者たちへ ―

今回、私たちは鹿児島の地を訪れ、戦争の記憶を今に伝えるさまざまな場所で学ぶ機会を得た。
そこには、多くの若者たちの想いが静かに息づいていた。

特攻隊として出撃した若者たちは、当時わずか10代後半から30歳前後という年齢だった。
私自身が38歳になった今、その若さで命を懸けたという事実に、ただ言葉を失った。

彼らは誰かのために、そして「国のために」という大きな目的のもとに生き、散っていった。
その姿から私は、目的に生きることの力強さと、同時に危うさも感じた。

青年会議所という組織もまた、「目的」を掲げて活動する集団だ。
私たちは地域をより良くするため、社会の課題に向き合うために目的を定め、行動している。
しかし、戦時中の「目的」と決定的に異なるのは、それが誰かに与えられたものではなく、自らの意思で選び取る目的であるということだ。

人間は古来より、生きるため、豊かになるため、そして幸福を追い求めるために目的を持ってきた。
だが、戦争はその「目的」を奪う。
国家の名のもとに与えられた目標は、個人の自由や主体性を奪い、命さえも手段と化してしまう。

だからこそ、今を生きる私たちは、自らの価値観に基づいた“自分の目的”を持たなければならない。
青年会議所の運動とは、まさにそのための実践だと改めて感じた。

歴史を学ぶということは、過去をなぞることではなく、そこに込められた想いから未来への行動指針を見出すことだ。
鹿児島の地で感じた「戦争の悲惨さ」「命の尊さ」「平和の尊さ」は、単なる感情ではなく、これからの私たちの生き方を問うメッセージである。

「目的を生み出し、行動すること」
それこそが、今の時代に求められる平和の形だと私は確信している。

平和のために私ができること

平和とは、ただ戦争がない状態ではなく、人が自らの意思で目的を持ち、生きることができる社会だと思う。
青年会議所の使命は、そのような「主体的に生きる人」を育て、共に未来を築くことにある。

大きな理想に挑戦する者は、ときに変人と呼ばれる。
誤解され、批判され、孤立することもある。
それでも、何もしなければ現状を肯定していることになる。

だからこそ、私たちは恐れずに挑戦し続けなければならない。
進歩のためだけでなく、「目的を生み出すため」に。
それが、今を生きる私たちができる最大の平和への貢献である。

【感謝を込めて】

今回の平和学習に参加してくださった学生の皆さん、
そしてこの事業の企画・運営に携わってくださった松本市関係者の皆さま、
さらに共に準備を重ね、行動で支えてくれた松本青年会議所の仲間たちに、心より感謝申し上げます。

皆さん一人ひとりの想いと行動が、この学びの旅を本当の意味で“平和への一歩”にしてくれました。
この経験が、それぞれの人生の中で新たな目的を見つけるきっかけとなり、未来を創る力となることを願っています。

ありがとうございました。

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