能登半島地震への支援と、松本の渋滞を見て。2024はデフレ脱却の年に。
本年度、松本青年会議所副理事長を務めさせていただきます、青木崇と申します。松本市・東筑摩郡において長野県議会議員を務めさせていただいています。皆様には一年間お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
元日の家族団欒の時間帯に、最大震度7を観測する能登半島地震が発生しました。多くの方が犠牲となられ、行方不明者の捜索が続いています。酷寒の中、今もたくさんの方々が厳しい避難生活を余儀なくされています。
お亡くなりになられた方々とご家族にお悔やみ申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。一日も早く、皆様にとっての日常が取り戻されることを祈っております。
震災後、救助・支援の遅れに繋がる被災地への深刻な渋滞が発生し、通行規制がかけられることとなった中で、北陸信越地区に属する我々松本青年会議所として被災地のためにどのようなことができるのか、模索することから始まった2024年度でした。
先日行った松本駅前街頭募金活動においては、多くの皆様に御厚志を賜り、篤く御礼申し上げます。私達に託された松本地域の皆様の「なにかできないか」という想いを、しっかりと被災地に届けてまいります。
今回の災害を受けて、早急な被災地へのサポート体制の構築とともに、改めて当地域の防災対策はどうなっているのか、考えさせられました。我々松本青年会議所では松本市社会福祉協議会と防災に関する連携協定を締結するなど、これまでいざという時のための備えに継続して取り組んできたところです。
自助・共助の自覚を持つこと、それぞれの区域ごとに、その体制づくりを進めることについて、再度見つめ直す必要性を感じました。
また、地域の交通インフラは発災時には命をつなぐライフラインとなります。
交通インフラが脆弱で、日常ですら慢性的な渋滞が発生している「陸の孤島」と称される当地域において、災害時に救助活動は滞りなく実施されるのか、支援物資は中山間地域にまで行き渡るのか、再度検証することが求められます。
中部縦貫自動車道などの更なる促進が必要な道路整備計画や、対策が必要な整備箇所においては、地元地域で機運を盛り上げ、声をあげていくことが地元経済団体にも求められていることの一つであると再認識させられました。
そして、信州まつもと空港は、長野県唯一の重要な空の玄関口であり、私たちのあらゆる選択肢を拡張するとともに、その発展は周辺の交通環境の改善に寄与することとなります。本年度は当団体に空港活性化委員会が設置され、みなさまとともにその可能性をさらに追求することとなります。私自身としても、みなさまのご意見を賜りながら、この地域の豊かで強靭な未来像を描く一年としたいと思います。
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昨年12月7日、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を実行するための令和5年度補正予算が国会で可決されました。今回の経済対策は、30年来低迷した日本経済の変革を促すスタートダッシュとして位置付けられています。
私が生まれたのは1989年、いわゆるバブル経済が弾けた年であり、『失われた30年』とともに生きてきた世代であります。この30年間、日本経済はコストカット最優先の対応を続け、人への投資や賃金、設備投資・研究開発投資などがコストカットの対象とされてきました。
安いことが良いこと、安ければ安いほどいい、という社会風潮により、我が国は消費と投資が停滞する、低物価・低賃金・低成長に象徴される「コストカット型経済」の悪循環に陥ってきたと言われています。
この国の将来に関する悲観的な話題ばかりに触れ続け、少子高齢化・人口減少の影響と上がらない賃金水準を目の前にして、未来に希望を見出すことができず、どうやって経済的に自立して生きていくかということに囚われながら、結婚・出産の優先順位がどんどん下がっていく——そんな同世代の気持ちが、私にもよくわかります。
しかし、ここにきて、その流れに変化の兆しが現れています。外的要因による影響を受けながらも、30年ぶりとなる高い水準の賃上げ・企業による投資意欲が見られるようになったことで、日本経済の変革を果たすまたとないチャンスを、私たちは迎えています。
これまでの日本経済の悪循環をここで断ち切り、二度とデフレに後戻りしないという強い決意のもと、足元の物価高対策や賃上げの維持拡大、生産性向上等に取り組むことが日本社会に求められています。
あらゆる分野の皆様が当事者となって、この機を逃すことなく、万全の取り組みをしていくことを通して、明るい未来を見通せないでいる若い世代にも希望を持ってもらえる社会を築き上げることが必要です。
経済団体である私たちとしても、活動を通して率先して地域にその姿勢を示していくことが、この地域の強靭な経済を育み、少子化やインフラ整備など、各対策の進捗を図る上で重要だと考えています。
当地域の強みを活かしながら、光輝燦然と輝き続ける未来のために、私も一年間副理事長としての職責を全うしてまいりたいと思います。
結びに、被災地の一日も早い復興を願い、皆様の一年間の安寧をお祈りいたします。
一年間、どうぞよろしくお願いいたします。