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事業報告

空でつながる地域と文化 〜 信州まつもと空港 国際化事業 〜

事業実施報告

一般社団法人松本青年会議所 まつもと空港2.0委員会では、2025年9月13日(金)から16日(月)にかけて、「空でつながる地域と文化 ~信州まつもと空港 国際化事業~」を実施しました。

本事業は、6年3か月ぶりに信州まつもと空港から韓国チャーター便(清州国際空港)を運航し、ソウル・安東市での文化・観光体験と交流を行いました。
信州まつもと空港の国際線運用により、松本から海外へ直接つながる空路の可能性を再確認し、将来的な国際便就航へ向けた第一歩となりました。
また、松本市は2026年の「東アジア文化都市」に日本から選出されています。韓国で同年に選ばれている安東市との交流を通じ、文化芸術を軸とした国際連携の基盤づくりを目的としました。

事業概要

実施期間:2025年9月13日(金)~16日(月)
訪問地:韓国(ソウル・安東・清州)
参加者:松本青年会議所会員、東アジア文化都市実行委員会、松本市民など計54名
使用便:Aero Kチャーター便(松本-清州 往復)

訪問内容・行程詳細

【1日目|9月13日(金):松本 → 清州 → ソウル】
既存施設内に出国審査場が設けられ、信州まつもと空港が一時的に国際線仕様となりました。約2時間で清州国際空港へ到着し、利便性と距離の近さを体感しました。

清州に到着後、バスで約2時間かけてソウルへ移動。
韓国最大の繁華街「明洞(ミョンドン)」を訪れました。明洞は若者から観光客まで賑わう商業エリアで、最新の韓流ファッションやコスメ、屋台グルメが立ち並ぶソウルの中心地です。伝統と現代が調和した街並みを歩きながら、韓国の活気を肌で感じることができました。

【2日目|9月14日(土):ソウル → 安東】
ソウルではまず、朝鮮王朝の象徴「景福宮(キョンボックン)」を見学しました。
景福宮は1395年に建立された王宮で、壮麗な宮殿建築と守門将交代式など、韓国の伝統文化が今も息づく場所です。王朝時代の歴史や儀式を通して、韓国の文化の深さを感じました。

続いて訪れた「HiKR Ground」は、K-POPや映像技術を活かした韓国観光公社の新施設で、デジタル演出やAR体験を通じて現代韓国カルチャーを体感できる観光拠点です。
伝統と最新文化の両面からソウルを体験することで、韓国の多層的な文化魅力を理解する機会となりました。

その後、本事業のメイン交流都市である安東市へバスで移動。
安東市では、安東青年会議所の皆様より心温まる歓迎を受け、両青年会議所による交流会を開催しました。双方の都市の歴史や文化を紹介し、互いの理解を深めました。安東青年会議所のソン・ビョンヒョン会長は、「青年同士がまず手を取り合うことが未来への力となる。両都市の交流により互いが発展するきっかけになるであろう。」と話されました。

本交流では、松本青年会議所から安東青年会議所へ、松本市が誇る特注ギターを記念品として贈呈しました。松本は、国内有数のギター生産地として知られ、高い職人技術と豊かな木材資源を活かした品質の高さから、日本一の生産量を誇ります。
一方、安東青年会議所からは、韓国を代表する伝統芸能「仮面劇(ハフェタル)」の発祥地である安東ならではの木製仮面をいただきました。この仮面は、朝鮮王朝時代から受け継がれる職人の手仕事によるもので、重要無形文化財にも指定されています。独特の表情をもつ仮面は、人間の喜怒哀楽を象徴し、安東の豊かな文化と精神を今に伝えるものです。

夜は、安東を代表する景勝地「月映橋(ウォリョンギョ)」を訪問。
木造の歩行橋としては韓国最大級で、夜にはライトアップされた姿が川面に映り幻想的な光景を生み出します。橋の名には「月が映る橋」という意味があり、伝統と自然が調和した美しさに感動しました。

その後、サムギョプサルを囲んだ懇親会では、両青年会議所の友情を深めるひとときを過ごしました。
さらに朝鮮王朝時代から伝わる韓国最古の焼酎のひとつである安東焼酎をカクテルで体験させていただきました。

【3日目|9月15日(日):安東 → 清州】
安東市長および市議会議長への表敬訪問を両青年会議所で実施。両市の歴史や文化の共通点を確認し、今後の交流継続について意見を交わしました。クォン ギチャン安東市長より「青年を中心とした交流を心より歓迎し、これからの実質的な成果に繋がるよう支援する。」と約束されました。

2010年に世界文化遺産に登録された「安東河回(ハフェ)村」。
河回村は朝鮮時代の両班(貴族階級)の生活様式を今に伝える村で、茅葺き屋根の家々が整然と並び、自然と共生した伝統的な集落景観が残っています。村では、重要無形文化財に指定される仮面劇や、地域独自の礼節文化などを見学し、韓国伝統文化の原点に触れました。

その後、安東市立博物館や安東焼酎博物館、市場を巡り、地域文化と食文化の豊かさを堪能しました。

夕方、安東青年会議所の皆様に別れを告げ、清州へ移動。
夕食会では、参加者がそれぞれ本事業の感想を共有しました。個人では行く機会がなかった地域の魅力を感じることができ、歴史・文化・食など、韓国の新たな魅力を体感することができたと発表されました。

【4日目|9月16日(月):清州 → 松本】
チャーター便で清州国際空港から松本へ帰国。
信州まつもと空港では昨年新設された入国管理施設を経て全員が無事に帰国しました。

成果と波及効果

本事業は、松本青年会議所として約30年ぶりの韓国チャーター便事業であり、コロナ禍以降途絶えていた信州まつもと空港の韓国線再開を実現しました。
現地では安東青年会議所との強固な関係を築き、安東市長・市議会議長からも「今後の継続的な交流を望む」との言葉をいただき、両都市を友好に導くきっかけができました。
また、ソウルや釜山といった大都市だけでなく、安東のような地方都市の魅力に触れることで、韓国の多様な地域文化を体感できたことも大きな成果です。
本事業は多くのメディアでも報道され、市民・県民の皆様の関心を高めるとともに、信州まつもと空港の国際化に向けた期待をさらに広げる契機となりました。

協賛企業のご紹介

本事業は下記の企業・団体様のご協賛により開催されました。
皆様の温かいご支援に心より感謝申し上げます。

岩原一級建築設計事務所

有限会社ホテル飯田屋

川上誠土地家屋調査工事務所

高橋タイヤ商会

加藤会計事務所

株式会社トータス

リニア電気工業株式会社

有限会社華松煙火

株式会社アクセス

石井法律事務所

株式会社田内工務店

合資会社長喜園

有限会社キックス
コーポレーション

味楽苑

旅館すぎもと

株式会社県設計

株式会社ユニティープラス

松本 うなぎ割烹 桜家

信産倉庫株式会社

日進堂印刷株式会社

株式会社ニシマ

三協電気工業株式会社

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