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理事長所信

2022年度テーマ

基本方針

一.60周年ビジョン達成に向け一丸となって邁進しよう。
一.今ある恵まれた環境に感謝し、グレートを追求し続けた上でバトンを繋ごう。
一.プライドで目を曇らせることなく、挑戦と寛容の気持ちを大切にしよう。
一.旗幟を鮮明にし、アクティブシチズンとして想いの伝播する存在となろう。
一.与えられた機会を大切にし、日々情熱を注ぎ、探求し続けよう。

一般社団法人 松本青年会議所
第63代理事長 上原 聖二

戦後の荒廃した大変苦しい時代背景の中、新しい日本の再建は我々青年の使命であるという覚悟のもと、全国各地で情熱を持った若者たちが立ち上がり青年会議所は発足しました。
私たちが暮らす松本においても、63年前このまちを良くしようと志高き35名の青年たちが立ち上がり、全国で188番目の青年会議所として一般社団法人松本青年会議所は誕生しました。
63年目を迎える今、これまで先輩諸兄の積み上げてきた運動の歴史、まちを愛する気持ち、賛助会員様をはじめとする多くの皆様に支えられた育まれた環境に感謝し、2022年の運動を展開して参ります。

はじめに

私は縁あって2016年に入会させていただきました。当初は、新入会員としての運動に参加することで精一杯となり、果たして自分にできるのかと不安に駆られました。しかし、まちを良くしようと仕事をしながら運動に邁進する情熱ある会員と話をする中で、何か自分も力になれるのではないか、自身の成長に繋がることもあるはずだと、年数を重ねていくうちに、青年会議所の運動は、携わり方次第ですべてに意味があり無駄などないと感じるようになりました。

未熟な私に新たな成長の機会を与えて下さった諸先輩方、共に組織内で切磋琢磨し、刺激し合えた仲間たちがいたから今の自分があります。これまでの様々な出会いや経験、そしてたくさんの支えに心から感謝し、理事長として、今度は全会員が「あの時全力で向き合ったから今に活きている」「経験して良かった」と思える環境を創り出し、共に成長していきたい。

定款第3条に「本会議所は、青年の英知と勇気と情熱を結集し、明るい豊かな社会を築きあげるとともに、日本経済の正しい発展と福祉国家の実現を図り、併せて、公益社団法人日本青年会議所及び国際青年会議所の機構を通じ、日本及び世界の青年と提携し、国際的理解及び親善を助長し人類の幸福、世界平和達成の原動力となることを目的とする」と記載されています。

何十年と時が経過しても私たちにとってこの目的は不変であり、維持し続ける基本的な価値観です。この目的を土台として運動を展開していこう。

63年目の運動の特徴としては、ここに60周年ビジョン(以下:ビジョン)を明確に組み込み、全会員がこの内容を個々の価値観で理解し、大きなエネルギーを持って継続的に力を発揮できるようにするということです。私たちは素晴らしいことに、明確で魅力的なビジョンを持っています。このビジョンに対して他からの声を気にする必要はありません。私たちにとっては、今まで歩んできた道のりのずっと先に見える景色であり、そんな未来へ思わず駆け出したくなるような力強いビジョンです。個性溢れるメンバーで力を結集し、ビジョン達成に向けた矢印の方向(ベクトル)を定め、力強く歩みを進めていこう。

歩みを進める中で、意図しなかった出来事や気付きに直面するかと思います。それらは新たなことを生み出すきっかけになります。是非、ワクワクしながら臨機応変に前向きに挑戦して欲しい。環境にたくましく適応し、柔軟性を持った方が辿り着く場所はビジョンにより近くなるはずです。

このまちの若き先導者として、変化・改善・革新をしながら、このまちをより良くするために「GOOD to➡ GREAT」のスローガンのもと、一丸となって運動を展開していこう。

オープンでアクティブな姿勢で取り組もう

63年目の広報は、組織として効果的でアクティブな運動を展開していこう。
ビジョンに「世界から愛されるまちへ」とありますが、果たして世界から注目される準備は出来ているのでしょうか。私たちから外部の人々に積極的に問いかけ、反対に私たちも情報(ノウハウ)を開示しても良いのではないでしょうか。これは私が日頃感じていることです。

私たちは、日頃から注目されているのだという意識を高く持ち、主義主張をはっきりと伝える必要があります。その意味合いを込めて、先ずは情報発信を世界中の人が分かるようにすることから始めよう。また様々なツールを使い、知りたいこと・学びたいことを、外部の人たちと共有し合い、共に運動が最大化されるような広域連携を築いていこう。
このオープンシェアの発想は、私たちの運動のみならず、全国の青年会議所運動をより良くすることに必ず繋がると考えております。さあ、私たちから積極的に仕掛けていこう。

いざという時、地域の力となるために

私にとって2019年10月に起こった台風19号における一連の支援活動は、一生忘れられない経験となりました。当時長野ブロック協議会の副会長として災害時における支援活動の任務を負っていた私に危機感は全くなく、「今回もどうせ長野には台風は来ない」と高を括っていました。しかし結果はご存じの通りです。今皆さんは当時のことをどう思い出したでしょうか。「自分たちは大丈夫だった」と思ったでしょうか。このまちには近年大きな災害はなく、日本各地で毎年のように起こっている災害に対しての関心は薄いのかもしれません。

「いつ来るか分からない災害に備える」これは本気で取り組むのは言うまでもなく、想像力をフルに働かせること、そして全会員が自分事とすること、更には愛するまち・地域に貢献しようとする謙虚な姿勢が求められます。「災害時に必ず機能する組織でありたい」これが私の揺るぎない想いです。
大事なことは、いざという時に組織を機能させ貢献できるかどうか。一年間しっかりと向き合い答えを導き出す必要があると考えます。

理想の未来へ向け、新たに生み出す力と改善する力を示そう

SDGsという国連が掲げる目標は、大人から子どもに至るまで多くの人たちが言葉を耳にし、様々な組織が取り組んでいます。今やSDGsを知ってもらうための普及活動を行うのは適切ではありません。私たちは、あのカラーホイールバッジを着けた人を見たら、仮にベースとなる考えに違いがあったとしても、共感・共鳴し合える仲間かもしれない。17の目標を印したカラフルなアイコンを目にすれば、誰かが課題解決に向けた意思表示をしていると考えて欲しい。もちろん私たちも周りの人たちに対し、SDGsの価値観を共通認識が持てる新たな言語のように活かし、多くの可能性を広げてもらいたい。ビジョンもSDGsの表記を模して作成されており、相性は抜群なはずです。
私たちが「世界から愛されるまち」を目指すにあたり、先ずは大きく二つの方向からアプローチしてみたい。一つが、新たに何かを生み出そうとする考え方と、もう一つが、今あるものを改善し未来へ繋ぐ考え方。この二つの視点を入口にして運動に取り組もう。

<新たな表現が文化・芸術を創る>
皆さんにとって、このまちが誇る文化・芸術と聞けば幾つか思いつくのではないでしょうか。文化・芸術は、オリジナリティと表現の結晶だと私は考えます。多種多様な人々が住み暮らすこのまちは、オリジナリティと表現がしやすい環境となっているでしょうか。寛容性を持っているでしょうか。もっと私たちが地域社会に飛び込み、市民による表現の可能性を広げ、新しい価値を生み出していこう。挑戦に寛容な市民の姿は、多くの人々が集う「魅力と個性あふれるまち」へと繋がるはずです。

<子どもたちの未来を想像し、地域の社会課題と向き合おう>
明るい豊かな社会は皆が願う未来です。地域の社会課題と向き合うのに、私たちだけで成し遂げようとするよりも、様々な人や団体と連携し効果を最大化することは、とても大切なことだと私は考えます。2022年はビジョンの中の「環境」を軸に経済・教育・響和などを紐づけ展開していこう。 先ずは行政や企業に目を向け、互いの特徴を知ることや、各取り組みにおける問題点を探ろう。行政は大枠の方針を持っていても、認知や機能させることに苦慮しているかもしれません。また地域貢献を考えている企業側も、協同する仲間を求めているかもしれません。私たちが「繋ぐ×つながる」を実践し、地域で様々な組織が関わりを持ち、効果的で循環した課題解決ができるのであれば、明るい豊かな社会へと繋がるはずです。
そして全く違うアプローチとして、子どもたちが地域の社会課題に対し、どのような事を学び実践しているのか知ることも大切です。 この二つのアプローチの先にはたくさんの家庭があります。子どもにとっても親にとっても、家庭は小さなアウトプットの場であり、最も身近に一歩を踏み出すことができると私は考えています。子どもたちに対しては、刺激があり挑戦しがいのある運動を展開しよう。そして、行政や企業と、SDGsやビジョンを達成するには、連携を高め、それぞれの関係をさらに強固にすることが重要となります。適任者である私たちが、アクティブシチズンとして大いに汗をかくことで化学反応を起こしていこう。

広域連携の可能性と友情の発展

JC三信条をバランス良く実践することは、効果的な運動ができるだけでなく、気付きや学びが多く得られると考えています。そのJC三信条の一つである「世界との友情」を最も体現しているのが、台南女國際青年商會との交流です。この1991年から始まった絆は、昨年30周年を迎えました。彼女たちの日々の取り組みや、オープンな姿勢は、活気溢れる台南市のエネルギーの象徴と思えるほど魅力的であり、その姿はロールモデルとなるヒントを多く有しています。私たちもオープンな姿勢で積極的に交流を深め、私たちだけの交流にとどめるのではなく、このまちへと大きく還元していこう。

私たちの運動の中には、国内の同志たちとの交流も近年育まれてきています。境遇が似ているということがきっかけになったケースもあれば、全く違う環境や文化が引き寄せた縁もあります。事業以外でも互いのまちを訪ね、交流を更に深める会員もいます。私は、次のステージは二つあると考えています。一つは、【オープンでアクティブな姿勢で取り組もう】で触れた、オープンシェアの発想によるWin‐Winの関係。もう一つは、これまで築いてきた交流の更なる深化です。灯台下暗しという言葉がありますが、遠くを照らす灯台が互いを照らせば、見えなかった場所が照らされ、新たな気付きが得られると思いますし、SDGsのような共通の指標を活かし協同すれば、互いの課題解決に良い影響をもたらすのではないでしょうか。

私が理事長所信を書いていて強く思うことは、改めて出向経験は、自分の人生に「プラスα」を与えてくれる貴重な機会であるということです。よく出向すると「松本の看板を背負って行って来い」と言われます。何だか肩に力が入ってしまいそうですが、ここでは過度な虚栄心や排他的なプライドを振りかざせと言っている訳ではありません。松本の代表として、与えられた役割に対して最後までやり切ることを指しているのだと私は思います。キーワードは「挑戦と寛容」です。新たな地で責任感を持ってやり切る気持ちと、心をオープンにして知る・学ぶというリスペクトした姿勢で臨めば、人生における大きな「プラスα」となるはずです。

志高い私たちの輝く姿で仲間を巻き込もう

アクティブシチズンは、能動的市民とよく訳されますが、公益社団法人日本青年会議所2019年度会頭の鎌田長明先輩は、アクティブシチズンは「自ら目標を見つけて、そのために努力し、他の人をアクティブシチズンに変えていく人」いわば「広げる人」だと述べています。

運動を展開する上で本当に大切な要素であり、多くの会員を「広げる人」に変えていくのが私の務めだと考えます。そしてこの躍動している姿は、会員拡大する上でも大いに活かしていけるはずです。多くの共感・共鳴を呼ぶ運動の先には素晴らしい縁があるはずです。また、眠っている個性を引き出す視点も同時に持ってアンテナを張っていこう。コンフォートゾーンから一歩踏み出すことで切り開けるこの学び舎に、志高い私たちの輝く姿で仲間を増やしていこう。

組織力の強化と委員会のバックアップ

ここ数年は、人との交流が制限され対面によるコミュニケーションが減ってしまっています。これまでオンラインをはじめとする様々な変化・改善・革新をしながら私たちも組織を強化してきましたが、今一度全会員を想像し、問題点がないか調べてみよう。会員同士の会話が減り、文章による情報が過度に増えたことによって、取り残されてしまった会員はいないだろうか。各委員会の動きが見え難くなっていないだろうか。仲間同志の関心が低くなることは、組織として力を失うことになります。引き続き変化・改善・革新を継続して結束を高めることに尽力しよう。そして個々の成長に繋がる組織にしていこう。

結びに

大切な時間、大切な機会をどう活かすか、日常から一歩踏み出す時に違和感はつきものです。まだ起こってもいないことに恐怖を感じることはありません。やったことが無いからと不安に思う必要もありません。

やるからには思い切って新たな環境に飛び込もう。
やるからには日々夢中になり、新たな経験・新たな発見を楽しもう。
やるからには旗幟を鮮明にし、多くの仲間を巻き込もう。
やるからには心をオープンにして相手をリスペクトし、何事も吸収できるようにしよう。
やるからには最後までやり抜こう。

青年会議所においてチャンスは常にあります。今の役職・役割・ポジションにしっかりと向き合い深く携わろう。かけがえのない「明るい豊かな社会の実現」に向けた経験は、愛するまちが理想に近づくと共に、自身の成長・飛躍にも繋がると確信しています。

委員会構成

①広報拡大委員会
・オープンでアクティブな広報
・情報発信の多言語化
・各委員会への広報バックアップ
・会員拡大の実践
②強靭化実現委員会
・いざという時、地域の力となる組織構築
・他地域における災害への支援及び継続的支援の模索
③まちの文化創出委員会
・オリジナリティを尊重した新たな表現の模索及び実践
・文化発展に繋げる継続性の模索
④地域の力響和委員会
・SDGsを共通指標にした諸団体との地域連携及び交流
・地域課題の効率的で最大化された解決方法の模索及び実践
・広域交流による子どもたちの明るい未来への運動実践
⑤国際・出向者支援会議体
・姉妹青年会議所、友好青年会議所との連携
・協働事業の推進
・出向者のサポート及び会員への情報循環
⑥総務委員会
・強靭で効率的な組織の構築
・会員間のコミュニケーション改善
・財務運営
・会員の資質向上
⑦未来のJAYCEE育成委員会
・青年会議所の基礎の習得
・新入会員同士の絆を深める
・各委員会との連携、シニア会との交流
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