理事長所信
Aim High And Lead The Way
はじめに
今までの人生で一度でも、「一切の妥協は無かった」「自分の可能性を信じ切れた」という瞬間はありましたか?
私の青春はほぼ全て水の中にありました。ただ、責任世代となった今でもまだ、私は青春の真っ只中にいます。青春という言葉は人生の一断片を切り取ったものではなく、心の持ちようをいうのだと思います。
私は松本の中心市街地で生まれ、高校生までの多感な時期をこのまちで過ごしました。寛大な両親の下、家族、仲間、恩師に恵まれ、自然豊かなこのまちで自分の可能性を信じられるように育ててもらいました。兄、姉に憧れて進んだ競泳の世界、オリンピックも日本記録も達成できませんでしたが、夢の力が私を強くしてくれました。
何を始めるにも遅すぎることはない。明るい未来の話をしよう。何が現実的かではなく、何をしたいか、どうなりたいか。それを問い、実現しよう。我々、松本青年会議所は笑われるような大きな夢でさえ実現するべきなんだ。
明るい未来
子どもたちが大きな夢を持って、自分自身の中にある無限大の可能性に気付いて育ってくれたら、そんな子どもたちの笑顔溢れる姿がこのまちにあったら。そこには明るい未来が待っていると思いませんか。子どもたちが自分で見つけた目標に対して自分を誤魔化すことなく一生懸命に向き合うことが出来れば、その努力はずっと寄り添って、これからの自分を助けてくれるはずです。限界というものは自分が思うよりずっと向こう側にあり、物事は簡単に諦めるべきではないと思います。
が、しかし、子どもたちにそれを言ったところで何も始まりません。我々責任世代が子どもたちに対して出来ることは、二度と味わえないような経験、自然と涙がこぼれてくるような感動、助け合い協力して得られる充実感、何かに挑戦することの意義や大切なものを養う機会、そういった場の提供をすることだと思います。そこで得た経験がのちに花開き、自分の可能性を広げられるのであれば、このまち全体の可能性が広がっていくでしょう。本物に触れ、感動をし、まさに夢のような時間を過ごすことが出来れば、それはきっと夢の力となり、子どもたちの背中をそっと優しく、そして力強く押してくれるはずです。
経済の正しい発展
戦後、日本人は一生懸命働き、復興し、経済成長を遂げました。しかし、今、なぜこんなにも将来に不安を覚えるのでしょうか。1970年代までの高度経済成長期を経て、1990年代前半にバブルがはじけるまで経済的に大きな失敗は経験しませんでした。また、高齢化社会と同時に経済が停滞している状況となれば将来に不安を覚えても仕方ありません。しかし、本当にそうなのでしょうか。日本人ほど勤勉で、教養があり、真面目な国民性はないと思います。戦後、一生懸命働き、作り上げ、豊かになった社会で育った我々は確かに昔のような急激な経済成長の必要性を感じていないのかもしれません。
しかし、この国民性という強みを活かしながら、多様性を高め、リスクを取り、グローバルな視点を持つことが出来れば、もっと将来に期待できるのではないでしょうか。男も女も、健常者も障がい者も、日本人も外国人も、持っている可能性に違いはありません。そして、リスクを取り挑戦する文化や土壌があれば、失敗に価値を見出すことができ、それを糧に挑戦を続けられます。また、今の経済は日本国内で完結できることはほぼ無く、諸外国との競争に負けないしたたかさや諸外国の文化を受け入れられる柔軟さ、そして、思っている以上に世界とは密接に繋がっていることの理解が進めば、もっと明るい未来を創造できるはずです。
豊かなこのまちの為に
投票率の低下、政治への無関心、政治不信、長年同じようなことが言われ続けておりますが、これは政治側だけの責任なのでしょうか。2016年7月に行われた第24回参院選の投票率は選挙区が54.70%、比例代表が54.69%と過去4番目に低い投票率となりました。そして、2016年3月に行われた松本市長選の投票率は49.89%と極めて低い投票率です。
経済がうまく回っていた時代は人柄の良さそうな人を選べばそれなりの政治が行われ、それなりの結果を得ていたように思われます。しかし、現在では法改正、経済、外交、安全保障、農業、エネルギー等、様々な問題が先の見通しを暗くしています。人柄やイメージ、知名度で投票するのではなく、市民が政治の本質や政策の内容を見極め、投票する必要があるのではないでしょうか。その政策は本当に市民の為になるのか。結果、このまちは良くなったのか。我々はもっとこのまちの未来に関心を持たなくてはならないと思います。現職市政の検証、2016年松本市長選立候補者の政策の検証を通じ、市民が政治の本質や政策の内容を厳しく見極められる力を養えることが出来れば、きっとこのまちには明るい未来が待っています。未来のこのまちは今の私たちが作っています。
相互理解と世界への発信
人にはそれぞれ正義があって、争いは無くならないのかもしれません。歴史的文化的背景が異なれば思想が違っていて当たり前ですが、何が正しいか、正しくないか、そんな議論が続けば世界平和から遠ざかってしまいます。必要なのはその違いを理解して、受け入れること。それが出来たら世界は平和になるのではないでしょうか。完全な平和は遠くても、争いは減らせると思います。世界中のみんなが友達になれたら、戦争は無くなるのに。世界中のみんなが友達になれたら、震災からの復興も早まるのに。そんな未来に希望を抱きたいと思います。
そして、今日のグローバル社会において、国境の意義は曖昧です。世界は非常に近い存在になっています。世界的な流動性は高まり、それが当たり前になっている今、このまちにも多くの外国人観光客が訪れ、経済的にも文化的にも世界が近いと感じます。ただ、物理的に世界が近くなったのにも関わらず、語学力や国際経験は高いとは言えず、せっかくのチャンスを活かし切れずにいるのではないでしょうか。海外に出ていくことや交流をするということは決して特別なことではなく、ただの手法でしかなくなっている今、このまちがもっと国際的な都市になったら、明るい未来に近付けるような気がします。もっと積極的に外に出て行き、異文化を受け入れ、そして、世界に発信する。そのポテンシャルはもう既にこのまちにあるはずです。
堅実な組織運営
明るい豊かな社会を築く為に我々が運動を進めて行く上で重要になるのは堅実な組織運営です。堅実な組織は我々の運動を推進する基礎となり、そして、組織を守る重要な砦となります。また、一人でも多くの仲間と運動を行うことが出来れば、我々の想いが一日でも早く、一人でも多くの市民に届けられます。そして、新たな仲間として入会してくれたメンバーに対しては個性を活かしながらしっかりとした教育をし、先輩諸兄のアドバイスを頂きながら成長の機会を提供したいと思います。そして、同期で生まれた絆はJC活動をより魅力的なものにしてくれるはずです。
結びに
我々は特別なスペシャリストが集った団体でも無ければ、特別なスペシャリストを育成する団体でもありません。我々は松本青年会議所の下に集った、ただの品格ある青年です。しかし、唯一、何のスペシャリストかと問われれば、英知と勇気と情熱を結集し、明るい豊かな社会を築きあげるとともに、日本経済の正しい発展と福祉国家の実現を図り、国際的理解及び親善を助長し人類の幸福、世界平和達成の原動力になる為に愚直に行動できるスペシャリストであると言い切れます。
我々のこの情熱に専門性を持った他団体の協力があれば、まさに、志を同じうする者相集い力を合わせ明るい豊かな社会が築き上げられるはずです。誰も見向きもしない、誰の興味も誘わない事業は誰の為にもならない。他団体や市民、協力者を巻き込み、世界をあっと言わせるような事業を行おう。それがきっと自己の成長につながり、ひいてはこのまちの成長につながるはずです。そして、誰もが成功を疑い、実現性に乏しいと思われるくらいの壮大な目標を達成しよう。
大切なのは失敗しないことではない。大切なのは自分が心の底から沸き起こる夢に対して一切の妥協をせず、自分の可能性を信じ、努力することです。そうすれば、自ずと結果はついてきます。青年らしい主張をし、議論をし、事業を行い、共に向上し、社会に貢献しよう。ひとりひとりが一つの大きな目標に向かい大切に紡いだ絆は夢を現実にし、世界を変えていきます。一人の力は微力かもしれませんが志が同じ仲間が集まり、心一つになれば夢は現実になります。
委員会・特別会議体構成
- 教育委員会
- ・子どもたちへ「夢のような時間」の提供
- 経済委員会
- ・多様性、リスクテイク、グローバルな視点の深耕
- ・上記にフォーカスをした意識変革と行動変革の推進
- 政策委員会
- ・現職市政の検証、2016年市長選立候補者の政策の検証
- ・政治的な知見を高め、有権者の政治的見識向上
- 国際委員会
- ・異文化交流から得られる相互理解の推進
- ・積極的な海外への発信
- 総務委員会
- ・堅実な組織運営
- ・積極的な広報活動
- 人間力育成委員会
- ・未来のJCを担う新入会員の育成
- ・特別会員、及びシニア会との連携
- ・同期入会メンバー同士の絆の構築
- 出向者連絡特別会議
- ・各出向先の情報交換、松本青年会議所への還元
- ・松本青年会議所としての誇りを確立
- 会員拡大実践特別会議
- ・組織全体で取り組む会員拡大の実践