松本JC宣言文
我々松本青年会議所は
志深き青年として
不変創始の気概を胸に
誇りある松本の輪郭を描く
導(しるべ)となることを
宣言する
新 松本JC宣言文 解説
我々松本青年会議所は志深き青年として
戦国時代に築城され、かつて深志城と呼ばれ現在も尚凛々しい姿でそびえ立つ松本城。旧物破壊の思想が吹き荒れた明治維新の最中、取り壊しの危機を救ったのは当時28歳の一人の青年でした。その志高き“志民性”は脈々と受け継がれ、1960年にまちの再建の為に立ち上がった35名の青年等によって松本JCが創立されて以来、我々は明るい豊かな社会の実現を標榜し運動を展開してきました。一人ひとりの高邁なる精神が結集し、より深き志を具えた青年等の集まり、それが松本青年会議所であるべきです。
不変創始の気概を胸に
まちを愛し、故郷に尽くす創始の精神は創立から現在に至るまで揺るぎなく、これから先も変わらぬ理念であり、運動の礎です。押し寄せる社会変化に柔軟果敢に対峙し運動を実践していく為には、困難にくじけない強い意志を持たねばなりません。我々は、その気概を心に刻み、今後のまちづくりへの歩みを更に進めていきます。
誇りある松本の輪郭を描く
かつて政治・経済そして文化の中心地であった松本の地は、長野県に併合されて県庁としての機能を譲って以降も、先人の並々ならぬ努力のおかげで、三つのガク都(岳都・学都・楽都)としての地位を確立し、商都としても発展してきた歴史があります。少子高齢化・グローバル化という時代の潮流に押し流されることなく地域が光り輝く為に、我々は英知と勇気と情熱を以って誇りの持てるまちの輪郭を描き発信することが求められています。
導(しるべ)となることを宣言する
我々は、共同体との紐帯を重んじ、あらゆる鼓動と解け合いながらも、次代の先駆者としてその先陣を切って、未来の不確実性の闇に一筋の光明を照らし地域を導いていく存在とならねばなりません。自らの存在意義を問い続け、弛まぬ知性の研鑽と運動の実践を惜しまず、明るい豊かな社会を築きあげる原動力となることをここに誓います。
新「松本JC宣言文」制定に至る経緯
第二次世界大戦敗戦の直後、「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という使命感に燃えた青年たちの運動が日本全国に広まっていき、その機運に応えて1960年6月に、35名の志高い青年の結集の下、宮坂眞一先輩を理事長とする松本青年会議所が、日本で188番目の青年会議所としてスタートしました。
そのときに定められた定款の第三条にはこう記載されています。
「本会議所は、青年の英知と勇気と情熱を結集し、明るい豊かな社会を築きあげるとともに、日本経済の正しい発展と福祉国家の実現を図り、併せて、社団法人日本青年会議所及び国際青年会議所の機構を通じ、日本及び世界の青年と提携し、国際的理解及び親善を助長し人類の幸福、世界平和達成の原動力となることを目的とする」
さらにその目的の達成のために、第五条では
一.政治・社会・経済・教育・国際及び文化に関する問題の研究並びにその改善、発展に関する研究及び実施
二.社会開発計画の推進と青少年問題に関する事業
三.実践指導力開発のための指導者訓練及び親睦に資するための行事の開催
四.国際青年会議所、社団法人日本青年会議所並びに国外、国内の青年会議所及びその他の諸団体との提携
五.その他本青年会議所の目的を達成するために必要な事業
と記されています。
それぞれの時代で人が変わり手法が異なっても、創始の精神は代々受け継がれ、創設以来55年を経た現在も変わることなく運動は継続されています。
「我々松本青年会議所は
時代の先駆者としての誇りと責任をもち
まちを愛し お互いを認め合う心を大切にし
アルプスフロントが個性豊かな輝くまちになるために
あらゆる鼓動と解け合いながら
積極的に考動することを宣言する」
これは、行政・企業・大学のパートナーシップが実現する将来の地域社会を想い描き制定された「5ヵ年ビジョン」の最終年度にあたる5年目の2004年に、今後の松本JCの在り方を模索する中、自らの存在意義を問い直し、全会員の一体感と矜持の醸成を図り、創立50周年に向けて、依って立つべき「基本的な柱」として初めて制定された松本JC宣言文です。
青年会議所は、創立以来現在に至るまで、取り巻く環境の変化に対応しながら組織の運動の普遍性と在り方を自ら問い続け、地域社会の為に運動を実践してきた歴史があります。混沌という未知の可能性を切り拓いてきた先輩諸兄の功績から学びを得、5年、10年先、これから生まれ育つ次世代の子等の為に、明るい豊かな地域の未来を見据えた運動を鋭意推進していくことが求められています。
松本青年会議所は、5年後の60周年に向け、目指すべき運動の方向性を共有し、組織に属する会員の意識統一を図り、互いの絆を深め、地域社会に貢献することを誓い、ここに新たなる松本JC宣言文を制定します。